「遊びと言葉」 園長 桃田清明
3月22日、東京・八王子で中学男子生徒が果物ナイフでバス運転手を刺し、逃亡しましたが、23日には逮捕されました。この事件のことは皆さんもご存知でしょう。事件を起こしたその子が悪いことは分かっていますが、級友たちのその子に対する態度の悪さが原因になっていることは否めません。
その子は調べに対して「級友たちからバカにされたので見返してやろうと思った」と言っています。そして果物ナイフを持って、バスに立てこもるつもりだったようです。彼に、人目につくような行動をしなければバカにされると思わせた級友たちにも責任があるでしょう。この事件で、人を悪い方向に向かわせるような悪い言動を発してはならないことを、改めて認識させられました。
保育園を卒園した子どもの父親から聞いたことですが、子どもたちの間で「死ね」という言葉が度々聞かれるそうです。大人の解釈によると、その言葉には深い意味があるわけではなく、悪気もなく、単なる遊びの言葉だそうです。遊びとはいえ、子どもに悪い言葉を使う習慣をつけさせてはいけない、とわたしは思っています。遊びの中の言葉がいつも遊びとして受け止められるとは限りません。場合によって、ある人には不快な、傷つく言葉として受け止められることもあるでしょう。八王子で事件を起こしたあの子は級友たちの言葉に傷ついた一人です。悪い言葉が彼に投げかけられなかったなら、あの事件はなかったのではないでしょうか。
子育てをしていると子どもたちの言葉をたくさん聞きます。そうした中で人を不快にさせる言葉があればそれをやめさせ、むしろ、人を良い方向に向かわせる言葉を教えていきましょう。
人の心と言葉について、キリストが語っている次の言葉は私たちに大切なことを教えています。
「善い人は良いものを入れた心の倉から良いものを出し、悪い人は悪いものを入れた倉から悪いものを出す。人の口は、心にあふれ出ることを語るのである」(ルカ福音書6章45節)